2019年9月
対GDP負債比率悪化の件
貨幣(現金)を発行し国債(負債)と相殺すれば良いので負債に対するGDP比率は改善されるという、だから政府は現在余っているお金を財政に使えば良いという。
では、これを簿記で考えてみると。(日銀と国政府だけを考えてみる)
日銀は 借り方
貸方
貨幣発行の時 現預金
貨幣発行負債
国債の買い入れの時 国債債権
現預金
一方国政府は
国債発行の時 現預金 国債発行負債
財政政策 投資 現預金
以上からどう相殺するのか?日銀と政府は別会計なので相殺のしようが無いのです。
それを、例えば日銀の手持ち国債と貨幣発行負債を相殺することはできませんが。それを無理に相殺するとしたら、国は国債という負債と投資だけに成る、国債(負債)=投資(資産だけでは無い)という事になり国債は減らない。そうすると現金勘定はどうなるのか、現金が消えてしまうことになる。(勿論国債より貨幣発行負債の方が多いので、現金は無くならない)貨幣(現預金)総量と貨幣発行負債は等しいので、貨幣発行負債と手持ち国債は相殺することは出来ないのです。しかし貨幣総量を減らし貨幣発行負債を減らす事は出来ますが、それでは売りオペレーションと一緒で景気悪化になるので、趣旨とは異なります。
国債(負債)発行は予算>税収という税収不足から来ているもので、あくまでも税収を上げる政策が絶対に必要なのです。
また日銀が国債を売却または貨幣発行して、政府に融資するとしても負債は減りません。それは
借方 貸方
日銀は 現金 国債債権(または貨幣発行負債)
政府貸付 現金
国政府は
現金 日銀借入
国債発行負債 現金
以上からでも国債は減っても日銀からの借り入れが発生するので、相殺は不可能なのです。今のままでは負債は減るどころか増え続ける事が解ったはずです。しかし、現在ある資産と国債負債を相殺することは出来ますが、その現預金資産以外の資産は処分(現金化)可能なのかが大問題です。