円の有意な上昇なさそう、資金流出や漸進的利上げで-ドイツ銀 (訂正)
(訂正とは、ドイツ銀行は従前は84円まで円高になるとしていた)
(ブルームバーグ):
米国がリセッション(景気後退)に陥らない限り、円が「意味ある形で上昇に転じる」可能性は低いと、ドイツ銀行が9日の顧客向けリポートで指摘した。外国の債券や株式への資金流出規模が大きいことや、利上げに対する日本銀行の「漸進主義的」なアプローチを理由に挙げた。
日本政府と富裕層は円で資金を借り入れ、S&P500種株価指数や米国債などの国外資産に投資しており、20兆ドル(約3000兆円)規模のキャリー取引をしていると、リポートでは指摘。
インフレ期待が2%近辺で安定している限り、利益性が高いこのキャリー取引を混乱させないために、日銀が金融政策を急激に引き締めるインセンティブはほとんどないと続けた。
意味のある円上昇には「適切な」日銀の利上げサイクル、もしくはキャリートレードの巻き戻しが進んでいる証拠が必要だが、どちらも近い将来にはなさそうだと記した。