20156

                物 価
                      (金融の正常化)

経済の三要素を技術、人、金、というエコノミストがいるようですが、技術は経済外的要因で、物(物価)、人(賃金)、金(金融)ではないでしょうか、それは物価が経済活動を左右することは間違いのないことだからです。

インフレは需要>供給でまたデフレは需要<供給ですが、物価はインフレとデフレ、それに海外的要因と為替で変動します。最も重要なことは国内で生産する原材料(原油、鉄鉱石等)の輸入価格の変動です。海外で相場が変動することは別にして、為替の変動が物価に大きく影響するのです。このインフレとデフレそれに為替の変動は金融政策で調整するのですが、今の金融事情で調整(利上げ)が出来るか?が問題です。財政健全化を急ぎ早く金融政策の正常化を図るべきでしょう。

そして行き過ぎたインフレでの物価の高騰(バブル)を考えると、物価の安定は重要なことなのです。その中で為替の安定は物価の安定となるもので、海外からの輸入原料と輸入製品の価格の安定は、為替を安定をすることが必要不可欠な問題でしょう。

現在、その円安が海外生産基地を持った原因で大きく物価が上昇しています。またその物価を抑えようとする余り利潤を減らしていることは否めないでしょう。そしてリストラ等で非社員が増加して消費に陰りが出て不況からなかなか脱出出来ない状況のようで、財政再建になかなか至らないようです。

国(政府)の外為の評価利益は膨大でしょう、それは保有米国債が円高の時での介入損失を補うに充分でしょう、そして今後も国債償還時まで円安が続くことが好ましいこともわかります。しかし、評価利益だけでは財政再建は不可能です。実体経済をどうするかにかかっていると考えられます。国内産業の復活は金融の正常化や非社員制度を廃止するなど、雇用の創出等で経済成長を計ることが最重要課題なのでは、それは恐慌は突然に起こるのでは無く、景気の好し悪しの後に起こった過去の例を反省する必要が有るでしょう。

現在株価が上がった、成長率が上がったと喜んではいられない筈です。株価が上がって投資信託が増えているようで、それは消費性向が低くなっていることでしょう、それでなくても日本は消費性向は低いのです。また成長率はあくまで前期比で、前期が悪ければそれ以上に上がることは容易で、現在は、目指す財政再建という根本を考えることにある筈です。

尚、円安元高の要因で(勿論株式市場での所得増も有るでしょう)中国人の国内爆買いの一因が消費に好い影響を与えているようですが、国立競技場の問題も円安による要因もあって予算高に成っているようです。以上のように円安による物価高はインフレによる物価高と同じように、物価が経済を左右することは間違いないのです。行き過ぎた円安とインフレは金融政策で調整すべきなのですが、それが出来ない金融経済情勢である1千兆円をこす負債を抱えた状況下では、利上げや量的引き締めが出来ないということで、政治を難しくしているのはエコノミストの責任なのではと考えられます。以上

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