2015年8月

       IMFの懸念

米国債保有、中国が再びトップに

 米財務省が発表している米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIEShttp://www.ustreas.gov/tic/mfh.txt)を確認してみたところ、2月は20088月以来、6年半ぶりに日本がトップに返り咲いていたが、3月は再び中国がトップに返り咲いていた。
2015
3月の米国債国別保有残高の上位10か国は次の通り(単位、10億ドル)

   
国別  2015年3月  2013年8月
1.  中国(China, Mainland) 1261.0 1268.1
2.日本(Japan)   1226.9 1149.1
3.石油輸出国(Oil Exporters)  297.3 246.4
4.カリブ海の金融センター(Carib Bnkng Ctrs)   293.0 300.5
5.ブラジル(Brazil)   261.5 252.9
6.ベルギー(Belgium) 252.8 166.8
7.アイルランド(Ireland 214.3 117.3
8.スイス(Switzerland) 211.8 179.7
9.英国(United Kingdom) 200.6 159.1
10.香港(Hong Kong 180.7 126.5


 
2013年から中国は米国債を手放し元高になってきいたようで、最近また元安をもくろみ米国債を購入したようです。また、ここには記載がありませんが、ロシヤの米国債は2013年8月は136十億ドルを保有していたようで、最近のルーブル高をみると米国債を手放したことが予想されます。そのロシヤが手放した分がその他の国に配分されたことが2013年8月と比較して推測されます。また、それ以上に各国が円を借りて売り米国債を購入したようで、日本の円安の要因が見えるようです。それが将来米国債を手放し円返済するとき円を買って返済するので、今度は円高になるでしょう。そして円が高いときに売り、安くなったときに買うという先物相場になるから、その時に米国債を手放した国の利潤が確定するのです。

中国の米国債の保有が米中の関係を緊密にしていて、日本は日米安保を盾に中国と争うことのデメリットがあるはずです。もちろん中国が米国債を手放すことのデメリットもありますが、日本もそれは同じですので(輸入物価高でも円安を良しとしている現在ではのこと)対中国関係を慎重に、尖閣諸島、東、南シナ海の問題はアメリカとしても介入するデメリットが有るはずで、そこのところを日本は慎重に行動する必要があるでしょう。防衛費増大によるからです。(アメリカは世界の警察を是正)

中国を共産党という認識でなく、また民主化ということで対立するのではなく、(日本の民主化とは何か?が問題)日本人は中国で過去何をしてきたか?それは過去は侵略植民地化それに戦争を、現在は何をしているか?それは日本人は完璧ではないということなのです(現在も後進国を植民地化しているのでは?)。故に中国と争うことのデメリットが多いはずです。中国にはクリスチャンが現在約7千万人いると言われ、数年で2億に達するとも言われています。日本では約200万人といわれ人口から見ても日本の数十倍はいることになるでしょう。それは中国の原点のマルクスはキリスト教を信仰していたということ、そして毛沢東が中国建国の父なら、中国建国の母といわれた周恩来も日本で大正デモクラシーを学び、西洋でマルクスも学んだと言われています。日本人はいかにキリスト教を知らないか、民主主義をアメリカから輸入したようなことでは情けなく思うのは自分だけではないでしょう。財政健全化を真剣に考える時だと思います、このことをIMFが日本について述べたことを下記に示します。

国際通貨基金(IMF)による日本経済に関す年次報告書
【ワシントン清水憲司】国際通貨基金(IMF)は23日、日本経済に関する年次審査報告書を発表した。物価変動の影響を除いた実質国内総生産(GDP)の成長率が中期的に年0.7%程度という低い水準で推移すると予測した。さらに「財政健全化と構造改革に関する政策が不完全で、最も重大なリスクだ」と指摘。円安への過度の依存を避け、財政健全化と構造改革に注力するよう求めた。
 IMFは2015年と16年の実質成長率を0.8%、1.2%と見込んでいる。だが、報告書は、個人消費に代表される国内需要が弱く、中期的には平均1%を割り込むとの見通しを示した。
 成長率の押し上げなどには「さらなる構造改革が早急に必要」と強調。人口減少に対応するため、女性の就業率引き上げ▽正規・非正規雇用の二重構造是正▽労働力が不足している分野への外国人労働者導入など労働制度改革を求めた。農業やサービス業の規制緩和も提案した。
 政府が6月にまとめた20年度までの財政健全化計画は、実質2%、名目3%の高い成長率を想定しているが、報告書は「慎重な経済(見通しの)前提に基づくべきだ」と暗に批判。消費税率の10%超への引き上げも求めた。
 金融政策では、日銀の2%の物価上昇目標達成は「依然として困難」として、必要に応じて追加金融緩和を実施するよう求めた。ただ、追加緩和を行っても、構造改革や財政健全化が実行されなければ、「内需が低迷したままになり、(輸入減少などで)海外経済にマイナスの影響を与える可能性がある」との懸念を表明した。
 IMFアジア太平洋局のルーク・エバーアート日本担当課長の話
 日本経済には企業が国内投資を増やすための構造改革が必要だ。構造改革はすぐには成果が見えにくく、政治的、経済的に困難を伴う。ただ、労働人口が減る中、改革で対応しなければ、状況はますます悪くなってしまう。財政健全化計画で野心的な経済成長率を掲げたこと自体は良いが、現状のままでは達成は非常に困難。追加的な構造改革が必要だ。以上原文のまま

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