実務から見た
利潤追求を忘れた日本経済・第三次産業主体からの要転換
・内部留保の誤解
・海外子会社との連結決算が誤判断
・バブル処理と人口減少
・シャッター街や空室、シャッター通り続出の原因
・政治経済の問題
・日本銀行の貨幣発行の現状(参考:添付)
・内部留保の誤解
内部留保は当期利潤から税金及び配当金(剰余金計算で社外流出)を除いた剰余金の留保の事で、その剰余金は海外投資、不動産等固定資産設備投資、債券投資、受取勘定、在庫商品・製品等、その他の資産、そして、残として現預金、以上資産の一部が剰余金留保分にあたります。従いまして、投資をする場合剰余金(手持ちの現預金や資産売却)だけでは巨額の投資や設備投資は不可能なので、外部からの資金調達が必要です。それが増資や、社債、借入金となります。しかし、借入金は返済が必要なので、利潤が上らないと返済はできません、然るに損失や利潤が上らないときに内部留保が厚くないと、資産を処分して返済に回すことが出来ません。これが企業の活力源で発展していくエネルギーなのです。しかし、返済に資産処分しなくても不動産担保で借入金にたよることが出来ます。然るに利潤を上げないと借入金は増えていき、やがて破綻の道をたどります。従いまして,再設備投資を行うには利潤を継続的に上げ返済を済ましておかなくては成りません。
もう一度現金の性格を考えてみてください。現金は産業活動と損益で資産負債に姿を変え増減変化します。資産の中の預金も然りで、国内産業での利潤が上らないと資金(預金)不足が発生します。但し、日銀による貨幣増刷を行えばその限りでは有りませんが、発行銀行券(負債)と財政を金融に頼るので国債(負債)は増え続けます。勿論、各産業も売上不振で在庫商品・製品等の増加や受取勘定の遅延も資金不足が発生します。そのように売上を順調に上げ受取勘定の回収の遅滞なく、利潤を上げられるかどうかが資金の過不足を決めます。しかし国内産業での時価評価損益は、納税は別として資金の過不足は生じません。そして国内各産業での利潤低迷や損失での資金不足で倒産破産の危機は金融だけに頼れません。そこで、利潤を上げられる経済政策が必要不可欠なので、価格競争では決してない事が証明できます。そのように産業利潤が経済に大きな役割を果たし、経済停滞を国債に頼るかどうかに影響するのです。
企業が利潤を内部留保に溜め込んでいるから消費に陰りが出て、景気が良くならないということが言われていますが、以上のように内部留保は企業が発展していく為に必要不可欠で経済の成長に繋がり、企業がため込んでいるわけではないのです。それより、円安による輸入価格の高騰で利潤の確保が難しい筈で、それがリストラを計って経済を停滞させているのが実情です。為替は経済にとって安定が不可欠で、景気拡大を国債(金融)、消費税だけに頼って来たので負債が増加し、為替安定の為の金利等の金融調整が難しくなっているのです。そして消費税廃止や減税は間違いなのです。
・海外子会社との連結決算の誤判断
統計で内部留保が著しく増加している。利潤が上っているとの情報が有ります。各企業が価格競争で海外生産に移転し海外投資が増え、海外子会社との連結決算による海外での利潤や為替換算での為替益、および国内産業でも時価評価益の結果、利潤・内部留保が増加したと思考できるのです。しかし、海外で利潤を上げても国内での税収は有りません。また現預金資産・負債も海外のもので、連結決算での経済分析は判断ミスを誘います。現在迄の停滞する経済を国債だけに頼ってきた事実が証明します。財政を国債(金融)に頼るのは国内産業利潤が低迷し税収を上げられないからで、経済が停滞している証です。
・バブル処理と人口減少
海外生産拠点に移った原因理由として、価格競争のため安価な労賃を求め拠点を移した他に、バブル崩壊による金融機関の衰退破綻が有ります。それは、バブル倒産破産による大量の不良債権損失を、大部分の銀行は政府金融で損失補填で支えられましたが、経営的にも余りある損失を銀行間の合併や支店統合と、金利だけで補うのが難しくなった結果、海外取引による為替手数料増を得る為でもあったと推測できます。その事を考えると今後も金融機関の経営状態が重要な課題でカギでもあると思考出来ます。
勿論、バブル以前から中国を市場と見て安価な労賃を求め、中国をはじめ海外に生産拠点を作り、利潤追求を忘れたように財政を国債(金融)と消費税だけにたより価格競争をしてきた歴史が有るのです。その結果、未だに経済は停滞し、停滞した経済を国債(金融)だけに依存し、人口減少、少子高齢化と、シャッター街や空室・シャッター通り、及び廃墟を作り続けているのです
・シャッター街や空室・シャッター通り続出の原因
このホームページの繰り返しになりますが、価格競争による産業空洞化に対して、国内経済は財政不足を消費税と国債という金融に頼り、また、量的金融緩和で第三次産業(商業施設拡大等)に頼ってきましたが、経営者側の搾取、非正規雇用従事員など低賃金で働く者と失業者の増加がコロナもあって消費拡大につながらず、経済を停滞させ、人口減少、少子高齢化に成って来たことを認識していなかったから、東京はカレッタ汐留付近などと大阪の天王寺阿部野付近高層複合商業施設など、神戸は六甲アイランドなど、全国各地にシャッター街や空室それに、シャッター通り廃墟を作り続けた原因だったと思考出来るのです。
もう一つ、シャッター街や空室・シャッター通り続出の原因は、経済の現状分析の甘さでも有ったのです。特に失業率以上に潜在失業者が多くいる事の認識不足です。それは失業の定義の中には次のような者が含まれていないようです。
1・一週間のうち、一日でも働いて賃金を得た者
2・家事手伝いを行っている者
3・求職意欲を失った。仕事に就くのを諦めた者
4・雇用助成金で企業内失業者となっている者
5・不労所得が十分有って働く意思意欲が無い者
以上。特に3番目は。ブラック企業等のような経営者側の搾取などハラスメントが原因かと思考出来ます。企業トップの社会的責任の欠如と、求職者側にも勤労の義務の欠如が原因していると思考出来るのです。
そこで職業訓練(技術だけで無く)指導など、職業安定所の拡大充実をもっと積極的に行うべきだと思います。また、経済対策を農業製造業など第一次、二次産業も見直す時がきたようです。それには市街化調整区域の見直し等が重要だと思考出来ます。
・政治経済の問題
前項の続きになりますが、イギリスから始まった第二次産業革命は供給過多による利潤率低下で世界大恐慌、世界大戦を起こし資本主義を転換せざるを得なくなった歴史があるのです。そして現在はマルクス・ケインズの利潤低下が資本主義の崩壊と長期停滞論を説いていたにも関わらず、利潤追求を忘れてダイエイの良い品をより安くという価格破壊と価格競争により、第三次産業の金融と商業施設拡大で汐留など高層複合商業施設などの空室、シャッター街、シャッター通りを全国的に増加させ、所得政策を忘れて人口減少、少子高齢化、失業や非雇用従業員の低所得者増加で所得停滞などで消費拡大につながらず、政治経済社会を混乱させているのが現状です。これを認識しないで小手先の政策では解決できないので、第三次産業主体からの転換、脱却するには国際協力を得ることが必要ではと思考出来るのです。現在の政治経済家、マスメディアと評論家は経済を、国民を、神仏を忘れた認識不足が全てだと思うのです。
日銀の貨幣発行の現状
発行銀行権勘定
令和5年上期2023年 1,206,494億円
平成30年上期2018年
1,007,945億円
価格競争による利潤が上らず、税収源を消費税、国債(金融)に依存し負債過多に陥り、金利政策が出来ず、円安での物価高と消費低迷で全国的に商業施設の空室が増加し、未だに市街計画を進めています。また海外との連結決算は時価評価により粉飾であることは貨幣発行の増加が続いていることで証明されています。何故なら利潤が上っているなら資金不足にならず貨幣発行の必要がないからで、時価評価基準が経済判断を誤る源を作っています。然るに価格競争と海外依存を反省しない限り明日の日本は見えません。つづき
(・参考1日銀)(参考2為替の問題)(参考3株価)、参考4(円安理由)ま
尚、今までこのホームページは表現の不足で何度も修正を繰り返してきましたが、まだ気が付かない所があると思います。そして表現力文章力が拙く読みづらかった事に、これが石渡功の能力だとご容赦下さい。