2022年10月
国会での国債財源についての質疑応答を聞いて思う

(現金発行から公共投資までの仕訳は以下の通り)

 尚、日銀は直接国債を購入できないので、ここでは日銀=普通銀行と見ています。

借方      貸方

 日銀

  貨幣発行時    現金     発行銀行券
  国債購入時    国債      現金

政府

  国債発行時    現金      国債
 
 公共投資時     公共投資     現金


企業側        現金   売上(公共投資)

 

 以上一番上の仕訳の発行銀行券勘定を除いた仕訳を整理相殺すると、現金勘定だけが残る。現金・売上として市中に流れるから、国債は現金となる、また、政府国債発行の下の仕訳を相殺すれば国債が現金になるので、国債発行による財源は問題ないという説明のようでしたが、しかし、全ての仕訳からみると現金と発行銀行券という仕訳が残る。したがって、公共投資財源を国債に頼るのは、現金と発行銀行券という負債が増え続けるのです。そして国債も市場の預金からも調達するので増加していきます。これが質問議員の認識不足なのです。 それは,上記仕訳の一番上の貨幣発行時の発行銀行券勘定の仕訳が抜けているからです。

繰り返しますが、貨幣発行時の現金の相手勘定は何か、複式簿記なので当然な疑問で、それが発行銀行券勘定という負債なのです。従って国債は現金になるはあり得ません
但し、国債=金融は間違いありません。

次に、国会の質疑のなかに有ったか確かではありませんが、次の四点の問題について

1・国債は返済をしなくて良い
2・国債は次世代へは引き継がない
3・国債のデフオルトは無い
4・貨幣発行で国債を償還すれば良い
以上の四点について考えてみます。

1・国債には満期が有る以上返済償還の義務がある。

2・満期日に税収で返済出来ない以上は、新たに国債を発行をしなくてはならない、その時期で財政赤字で国債を発行する必要がある場合、満期返済の国債と、その期の国債を上乗せすることに成る。これが次世代には影響しないとは言えない。

3・従って国債は雪だるましきに増加、その結果買い手がいなくなり、返済償還が出来なくなる時が来るのでデホルトは起きないとは言えない。全て日銀が引き受けることに成っても、國際的に信用は急落する。それ以前い日銀が直接引き受ける時点で信用はなくなる。

4・貨幣発行で国債を返済する場合と日銀が発行する場合を考えます。政府が貨幣を発行する場合、政府は貨幣を発行できるようでので、下記の仕訳をご覧ください。

政府が貨幣発行する場合

       借方      貸方
政府
 貨幣発行時  現金      貨幣発行負債
 国債償還時  国債負債    現金

投資家(銀行他)
 国債償還時  現金      国債資産


日銀の貨幣発行する場合

日銀
 貨幣発行時  現金      発行銀行券
 政府へ貸付  政府勘定    現金

政府 
 日銀から借入 現金       日銀勘定
 国債償還時  国債       現金

投資家(銀行他)
 国債売却時  現金       国債

以上で政府と日銀が貨幣を発行して国債を消化する仕訳で国債が無くなりますが、国債が現金発行負債に変わるだけで負債は減りません、また、国債金利は省かれますが、市中に国債が現金に変わったので現金が溢れ、ハイパーインフレ等市場が混乱、経済に悪影響が出る可能性は大です。但し日銀が発行した場合政府に渡す勘定科目が貸付だと金利が発生する、同じ会社の場合本店勘定、支店勘定で処理する場合があるので、ここでは本支店関係ではなく別事業であるが、日銀と政府は同じ財布という意見を尊重し政府勘定、日銀勘定としました。ここで大問題が発生します。それは、日銀の政府勘定が圧倒的に膨らんできます。これを政府の日銀勘定と清算するには次の仕訳が必要になります、

日銀     特別損失     政府勘定

政府     日銀勘定     特別収益
以上で清算は終了する。しかし、日銀は株式会社なので膨大な赤字を計上することになる。従いまして、日銀発行の貨幣では国債を償還することは無理で、上記の通り問題がありますが政府による貨幣発行しか償還出来ません。従って日銀の大規模な債務超過に陥った時には、国債発行ではなく政府貨幣の発行により保護が必要になります。


以上四点の問題について考えてみました。静的に見れば以上4点と一番上の全て問題の通りでしょうが、しかし、動的にみると、その背後の市場などでの動きを見る必要があると推察できます。

尚、貨幣である現金は勘定科目として市場の中の損益で、預金、債権投資等資産、それに借入金など負債勘定の姿で変動することは間違い有りません。 大問題はどうして現金から国債として事業主または家計まで流れる仕訳を同一視し相殺することで経済分析するのかです。財政と金融は全く違う事を認識すべきです。財政は産業活動による収益利潤から納税され、政府が経済政策として運用される。金融は現金として日本銀行から発行運用され、市場操作計ることの役割があります

 仮に国債は現金になるので税収不足の財政を国債に頼り、国債を幾ら発行しても問題ない、海外資産等資産が十分に有るから、国債発行を増加しても大丈夫だと、税収不足の財政を国債という金融に任せるということは、財政と金融がイコールということ成ります。そして、産業活動利潤は不要となることに、これは、ロビンソンの完全競争(生産=消費)の静態が実現出来れば利潤は消滅するとは、共産党宣言が説明出来るようですが、これを逆にみて利潤が重要でなく0なら、完全競争で静態が実現することになる。そこには共産主義体制の世界となる。しかし、現在の日本経済の自由体制のもとでは、完全競争ではなく不完全競争なので、利潤0無視=完全競争で静態の図式は成立しない、従って財政を国債に頼らずに、利潤というものが最も重要だということに成ります。しかし、市場での金融利潤は相場に左右する。それに、0金利・異次元の量的金融緩和政策によるトリクルダウンも実現が出来なかった歴史が有ります。
そして、バランスシートや仕訳という静態で経済分析する間違い易さをロビンソンは次のように語っています。

「近代経済学は経済の静態分析にかけては精密な理論を持っているが、マルクス理論の中に豊かにもりこまれたような長期動態の分析に乏しい、その点でケインズの有効需要の理論は、資本主義の運動法則を解明するための手掛かりを与えるものである」。(世界十五大経済学マルクスとケインズ、富士書房出版、ロビンソン経済209ページより)

消費税廃止、減税論者は財源を国債に求め、廃止減税が消費に回り、投資ー生産ー所得と繋がり、生産性向上で経済活性化が実現できると、消費の低迷が経済を低迷させているとしています。
これが消費税廃止、減税論者の言い分ですが、考えてみると、消費性向が低く価格競争で産業空洞化で産業利潤が普通でない日本、産業利潤のうち永遠に上がり続けるはずもない相場による金融利益だけを求めている日本で、廃止減税分で投資ー生産ー所得ー消費ー再投資と本来の経済循環を取り戻し経済活性化を実現できるのか、全く日本経済の現状認識が出来ていないように思考できます。

以上から日本経済分析をすると、如何に利潤をあげ税収を得る政策に欠けていて、税収不足を消費税に頼り,景気対策を国債に頼っているかが分かるはずです。利潤重視で有効需要をあげて行く方法は、独占禁止法で安売り規制をするか、アメリカのようにTPP離脱や、海外生産から国内生産へと目を向けるべきです。
価格競争、海外生産により経済成長が止まったように低く。低い経済成長率に景気対策をMMT理論で国債に頼ってきた結果、現金負債が増え続け、対GDP政府負債残高比率も上がり続け、2021年度は262.49%と世界ワースト1位となっている。これは米国の128.13、中国71.48,韓国51.33%に比べ圧倒的な高い水準であり(世界の政府債務残高対GDPランキング)、MMT理論が国民全体に広がっている悪い風潮を是正すべきです。 為替の変動が乱高下するのは量的緩和とゼロ金利政策からで、特に日本は12月で昨年より約2400億ドル(約30兆円以上)前年11月からだと3000億ドルの米国債を手放しています。
http://www.ustreas.gov/tic/mfh.txt 特に8月より売却が著しく増え続けている。(円介入円高誘導)数兆円の為替利益を上げたはずですが、光熱費の高騰で防衛費云々ではなく成長政策重視の経済対策が急務な時だと思考できます。
消費不況が目の前に迫っている現在、 経済成長政策は安倍内閣の3本の矢で行われて来ました、しかし、デフレで経済成長はまま成らずに負債は増え続け対GDP比率は改善されず、かえって悪化して来ました。原因を未だに解明しようとしないのが現状です。経済政策でインフレが進むと金融で金利や売りオペで経済を調整する。またデフレになると金利や買いオペで経済を調整する。加えて政府が財政投入をはかって経済を支える。これが金融と財政の本来の役割です。 現在はどうだろう、今までデフレを金融(国債含む)だけで支えて来た。それは取りも直さず財政が弱かった。税収をないがしろにしてきた結果なのです。それは新自由主義とMMT理論に拘り被れ、異次元の量的金融緩和で財政金融を合体してきた結果、現在は金融の役割が出来なく税収も不足し国債、消費税に頼っているのが現状です。日米金利差と量的金融緩和で円安が進行(現在は円買い介入)して来ました。そして今後も乱高下が続くでしょう。その為替の乱高下がデフレや輸入価格の高騰を招き経済を不安定にさせるのです、その調整役である金融が現在は負債過多で金利やオペで調整出来なくなっているのが実情なのです。 このような時に防衛費などと言っている時なのかです。なぜなら、ウクライナ問題で原油高騰による光熱費の高騰、加えて円安で輸入価格の高騰で消費に著しく影響しているからです、経済が戦争を誘発するのは人間の弱さ安易さです。そして政治家が戦争という人殺しを平気で行うのは古今東西変わりありません。未だに東西とか自由主義、共産主義と言っている場合では無いはずです。ロシア共産主義は崩壊し(最近プーチン政権で逆行しようとしているよう)、また、中国共産主義も資本主義に方向転換しているからです。ウクライナ問題は両国の問題であるのに、東西と言う垣根で戦争という人殺しを後押しているようで、民衆だけが地獄をみている。これは国際全体の問題だと思考できます。中国台湾の問題も日本は日中国交正常化の際両国は同一国ということを認め台湾とは国交断絶した歴史がるので、不介入を貫くべきで両国の問題だと思考できます。 これらの事を認識し、特に政治経済家メディアが認識し対策をしない限り消費不況は必至です。景気の気だけでは経済は成り立ちません。それに国債=現金でも金融=財政でも有りません。金融利潤だけでなく産業全体の利潤追求の経済政策が現在最も重要だということです
従いまして、消費税廃止減税だけでは経済活性化は望めませ。2026年2月リンク。