ri 2014年4月
日本のエコノミストの勘違い
民主主義とは多数決だけではなく、
少数意見も聴き取り入れることでしょう
静態論について
まず、静態とはシュムペーターによれば、変わらざるものと予定される、外部からの攪乱原因(経済外的)を与件と称し、そして静態とは与件が一定として実現される、経済的諸量の均衡状態である。と述べています。(世界十五大経済学マルクスとケインズより)そのことから日本経済の問題点を探ってみました。
1、資産から
企業会計方式で要約して考えると上図のようになるでしょう。このことから資産を増やせば、負債が減少すると考えられます。そして、それには損益計算書の国家予算削減か税収などの収益増加を図ることです。故に株価の上昇や為替レートに関心が及ぶのは納得します。
しかし、現在は輸出企業などは円安と株高で金融利益は増加したものの、国はデフレ不況による国家予算の増加と、円安による価格上昇で貿易赤字と税収不足で赤字が続き負債は増え続いています。逆に負債が増えていることは金融利益や税収はそう増えていないことになります。また株価や為替利益を求めると貯蓄性向が上がり消費に影響します。
ここで金融利益を上げるのが経済を発展させるという思想では駄目だということでしょう。(経済循環についての円安円高による経済影響を参照下さい)、今は資産が国債を負担できるようですが、負債が資産を超えると海外に国債を発行することになるでしょう。(消費税アップがデフレに拍車が掛からなければと誰でも懸念しているでしょう)
企業が価格競争で売上だけにこだわり、賃金や利潤を上げることを二の次にすると、経済循環をそこない税収を上げられなくなり、崩壊の道をたどることになるでしょう価格競争崩壊のメカニズムを参照ください。
2、金融から
金融拡大<価格上昇(インフレ率2%目標)
これは、静態性を考えると当然と考えられます。それは、お金が増えれば物を買える、それが物価を上げインフレになる。適度のインフレは企業の設備投資などの活性化で賃金を安定させ消費性向を上げ経済を押し上げると考えられるからです。
しかし、動態的にみるとお金が増えても、政治経済体制がお金を有効に使える情況を作り出しているかです。それは利益を出せない情況ではないか、また、賃金が上げられない情況ではないか、ようするに消費性向が低くないかです。国内だけでなく海外投資家も日本の経済を市況を充分わかっています。何故なら日本の国債信用度が著しく下がっていることで分かるでしょう。尚海外進出した企業を呼び戻す政策だったらその限りではありません。
現在の超金融緩和策が為替の変動で経済を複雑にしている(為替レートを参照下さい)ことを考えると、金融拡大<価格上昇にならないでしょう。かえって円安による負の物価上昇につながるのです。
3景気から
良く景気は気からといわれます。これは皆がポジテブになれば消費をし、景気が良くなるということのようですが、しかし、それはお金が有っての話で、現在は解雇や非正規社員化が平然と堂々と行われ、そして増加しているようです。円安による物価高でのデフレのなかで気と言っていられないでしょう。所得の中の消費の割合である消費性向が低下しているのです。価格競争の中で利潤の低下、賃金の低下、それに所得格差が消費そのものを低くしているのです。
それでなくても日本経済は保険、年金、貯蓄、株式投資等貯蓄性向が高く、その中でエコノミストは景気の気に強いこだわりが有ることが、なかなか日本経済が立ち直れない原因だと考えられます。所得対策が今は急務ではないかと殆どの人が言っている言葉です。
勿論保険、年金は給付が有りますが、保険は別としても年金は現在給付が徴収を超えていることは事実です。これは少子高齢化を見過ごしてきた日本国民の責任でしょう。また、自由放任(ちなみにアダムスミスは自由放任を説いたのではありません)をつくってきた政治家やエコノミストの責任でもあるのでしょう。保険も貯金もそのうち人口が減り所得が減れば逆転現象がおこることは間違いないのです。気だけではないことが分かるはずです。
そして公共投資だけに頼るのではなく、根本の財政再建をどうするかでしょう。それには利潤と所得をあげ税収の増加を図る政策が現在必要不可欠なのです。
4、、国内総生産から
生産=消費は消費者と生産者が一致する完全競争のもとで成り立つことなのです。そして静態で完全競争のもとでは利潤は発生しないということも成り立つことなのです。ロビンソンの不完全競争論を参照ください。また国内総生産=国内総支出となっていますが、これは在庫増減が含まれていてイコールにしているだけで、必ずしも一致はしません。この在庫の増減が経済の好不況の一因になっているのです。また、この国内総生産の伸び率が経済成長率で、この成長率だけでは経済の好不況は判断できないでしょう。何故なら薄利多売で生産を上げれば成長率は上がるからで、薄利多売では利潤や賃金上昇に繋がらなく消費に影響するからです。
以上、日本の疲弊している経済は、予定、予想できない経済外的原因である技術革新はしているものの、人間を知らずにいるからだと考えます。そして低所得者の底上げをしない限り消費性向は上がらないということで、本当の自由を顧みないで自由だ自由競争ではなく、利潤と賃金を考えた利他心が国を救うということでしょう。
最後に消費税から
民放のテレビでデンマークの消費税は25%で、国の保証が厚く老後の為の貯蓄は殆どしなくて済むという話でしたが、デンマーク経済が消費性向が高いが故に回転しているのではと思えるでしょう。日本経済が金融資産が多いことと、消費性向の低さが経済を複雑にしているようです。よってそれぞれの国の経済情況が違うので、一概に世界の国と消費税率の比較は間違いではと考えられます。そして外国為替が無く世界共通の通貨であれば、日本の経済政治政策が認識されるでしょう(グローバル経済)、しかし、上記のように各国の経済情勢の違いを考えない、日本の利他心を忘れた価格競争思想でやって行けるのか、それを解決しないかぎり、日本の今のグローバル経済思想が受け入れらないでしょう。それより足元の消費税UPと円安による物価高の中でのデフレ対策と、人口減少をどう考えどう対策を立てていくかでしょう。
尚これは、アベノミックス批判ではないことを理解してください、あくまでも現在の日本の問題点を考えたまでです。もし何か問題があるようでしたら通信からご意見をお願いいたします。続いて続勘違いをご覧ください。
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